健康増進効果のない医療サービス(=low value care)は、削減の努力にも関わらず、医療現場でなお広く提供されています、Low value careのようなサービスは医療費の上昇だけでなく、患者に副作用や二次的な検査の負担を強いたり、本来別のより価値の高いサービスに使われるべき医療資源が価値のないサービスに使われてしまうなど、様々な影響を医療に及ぼすため、公衆衛生上の重要な課題です。医療の質の向上と医療制度の持続可能性を両立するために、low value careを包括的に分析しています。この研究では、33項目のclaims dataで定量化可能なlow valie careのリストを作成しました。その上で、242の急性期病院の入院・外来患者を分析し、low value careのエピソードが患者1000人あたり115回〜/年発生し、その医療費は少なくとも57億円/年であることを示しました。
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※本研究で、使ったlow value careのリストは、本論文のSupp Table 2–3にあります。
Miyawaki A.*, Ikesu, R., Tokuda, Y., Goto, R., Kobayashi, Y., Sano, K., & Tsugawa, Y. (2022) Prevalence and Changes of Low-Value Care at Acute Care Hospitals: A Multi-Center Observational Study in Japan. BMJ Open. 12(9):e063171. http://dx.doi.org/10.1136/bmjopen-2022-063171